高度診断研究部 病理診断研究室

    • 研究員
      • 市原 周
      • 村上 善子
      • 岩越 朱里
      • 久保田 敏信
    • 客員研究員
      • 安藤 正海(東京理科大学)
      • 湯浅 哲也(山形大学)
      • 砂口 尚輝(名古屋大学)
      • 森谷 鈴子(滋賀医科大学)
      • 島雄 大介(北海道科学大学)
      • 高橋 恵美子(愛知医科大学)

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当研究室では,以下の3つのテーマを中心に研究を行っています.

1.有害無益な術後放射線照射を回避できる断端検索法Polygon Methodの開発
2.乳腺細胞診におけるセルブロック法の有用性
3.暗視野法X線の病理学への応用

1.有害無益な術後放射線照射を回避できる断端検索法Polygon Methodの開発

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乳房全摘術が治療の第一選択だった1980年代前半,オランダのRoland Holland博士らは,135例の全摘乳癌について管内成分を含む癌の分布を病理学的に詳しく調べました.その結果,乳癌の約半数は,主腫瘤の縁から1cmを越えると浸潤癌,管内癌,脈管内の癌のいずれも見られない限局型乳癌(Breast carcinoma of limited extent)であると結論しました[1].すなわち乳癌の半数程度は,適切に行なえば手術だけで取り切ることが可能であることを予言しました.乳がんが,遺伝的に不安定な乳腺葉を基盤として発生することを洞察したsick lobe理論の提唱者であるスウェーデンのTibor Tot博士は,このような限局性乳がんを治療戦略上温存手術のみで治癒可能な“Unifocal cancer” と分類しています[2].

今日,画像診断の向上にともなって温存術の対象となる限局性乳がんは着実に増加しています.しかしながら,現実には,標本のインク断端が陰性であっても術後放射線治療が奨励されます.その理由は,真の再発の原因となる乳癌(とくに管内成分)の術後乳房内残存を精密に判定する技術が確立されていないことです.我々は,我が国に温存術が導入されて間もない20年前(2000年頃)にこの問題に気づき,ポリゴン式断端検索法 を開発しました[3] [4].

Polygon methodは,乳腺組織の病理検索における「独特の難問」を解決したのです.「独特の難問」というのはpreanalytical なもので,外科手術と病理検査の谷間に横たわり,その問題の存在自体,外科医も病理医も気づきにくいものでした.それは,外科医が円柱状に切除した柔らかい乳腺組織が,そのままコルク板に張り付けられてホルマリン固定されると,重力で変形して底面,側面の区別が不明瞭な,ホットケーキのような扁平な形になることです.これをアメリカの外科医であるGrahamらはPancake phenomenonと名付けました[5].

Polygon methodの鍵となるツールは調整可能な型枠で,切除後の乳房組織の「パンケーキ現象」 を防ぎ,標本を多角柱状に固定することを可能にします.このステップにより,実際の 断端面から 3~5 mmの深さのShave断端全体を直接観察できる切り出しができるようになります.これにより断端に平行なshave断端を俯瞰できる全周評価が可能となりました.

非浸潤がんの場合,この検索法で陰性であれば,温存術だけで安全に治療できることをコホ ート研究で我々は明らかにしました[6].この研究は,術後同側再発を評価する対照として,同じ患者の対側乳房に発生する乳がんに着目しました.両者を定量化し,比較するため,競合イベントの解析(Gray’ s test)を行いました. 2000年から2013 年まで の 14年間に温存手術を受け対側乳房にリスクをかかえる146名のDCIS患者を中央値7. 6年(範囲,0. 9-17. 4)追跡したところ,ポリゴン断端陰性 100人のDCIS患者に 5例の同側乳がん(非浸潤3および浸潤2)および 10例の対側乳がん(非浸潤6および浸潤4)が発生しました.5 年および10年の累積発生率は,同側乳がんがそれぞれ3.0% および 5.3%,対側乳がんが 7.1%および 13. 3%でした.すなわちポリゴン断端陰性の場合,放射線照射省略にもかかわらず,同側乳がん発生は 対側乳がんの半分以下でした.ポリゴン断端陰性の場合,10年後の同側乳がん累積発生率は5.3%で,対側乳がんの半数であり,NSABP B-17 trialで放射線治療を受けたインク断端陰性群15年後の浸潤癌発生率8.9%をも下回っています.ポリゴン法は,有害無益なDCIS放射線治療を回避するために有用な,われわれの知る限り,最も信頼できる方法です.

参考文献
________________
[1] Faverly DR, Hendriks JH, Holland R. Breast carcinomas of limited extent:frequency, radiologic-pathologic characteristics, and surgical margin requirements. Cancer. 2001 Feb 15;91(4):647-59.
[2] Tan MP, Tot T. The sick lobe hypothesis, field cancerisation and the new era of precision breast surgery. Gland Surg. 2018 Dec;7(6):611-618. doi:10.21037/gs.2018.09.08. Review.
[3] Ichihara S, Suzuki H, Kasami M, Aoyama H, Sato Y, Oiwa M, Kurokawa K, Endo T. A new method of margin evaluation in breast conservation surgery using an adjustable mould during fixation. Histopathology. 2001 Jul;39(1):85-92.
[4] Ichihara S, Mori Y, Moritani S, Sato Y. [A new method of complete peripheral margin assessment in breast conservative surgery using an adjustable polygonal prism mould]. Rinsho Byori. 2003 Sep;51(9):905-9.
[5] Graham RA, Homer MJ, Katz J, Rothschild J, Safaii H, Supran S. The pancake phenomenon contributes to the inaccuracy of margin assessment in patients with breast cancer. Am J Surg. 2002 Aug;184(2):89-93.
[6] Ichihara S, Moritani S, Nishimura R, et al. Polygon method: A systematic margin assessment for breast conservation. Cancer Med. 2019 Jul;8(7):3359-3369.

 

2.乳腺細胞診におけるセルブロック法の有用性

【細胞診とセルブロック法】
細胞診検体から複数枚の安定した標本作製を行う方法の一つとしてセルブロック法があります.セルブロック法は,細胞を何らかの方法で固めてパラフィン等で包埋しておく方法です.半永久的に保存可能で,組織標本と同様に取り扱うことができることから,院内に病理検査室がある施設では,日常運用に適しています.セルブロック作製方法は各種ありますが,当院では,アルギン酸ナトリウム法を用いています.

【細胞診検体を用いた標準的な乳癌転移巣受容体検査法の提唱】
乳癌転移巣細胞診検体受容体検査マニュアル[PDF]
Handy Manual for Receptor Analyses Using Cytological Specimens from Breast Cancer Metastases [PDF]

従来,乳癌の受容体検査は原発巣組織で行われていましたが,原発巣と転移巣の受容体発現に差のある症例が相当数あるため,転移巣の受容体検査も行うことが望ましいとされました.それに基づき,生検の難しい場合の対応策として,本邦でも細胞診検体を用いた受容体検査が行われるようになってきましたが,標準的な方法は確立されていません.そこで,研究室長の西村らは,前任地の四国がんセンターで,乳癌転移巣受容体検査の標準的な方法として,セルブロックを用いた,ホルモン受容体免疫染色 (IH) と,HER2蛋白IHとHER2-DISH (Dual Color in situ hybridization) の併用を提唱しました.

まず,西村らは国立病院機構の病院を対象としたアンケートを行い,本邦の外科医にも細胞診検体を用いた受容体検査の要望が多いことを確認しました.

次に,細胞診検体を用いた日常運用可能な受容体検査法を検討しました.ホルモン受容体については,液状化検体細胞診 (LBC)およびセルブロックを用いた安定した方法を確立しました.HER2検査については,LBCを用いたHER2-FISH (Fluorescence in situ hybridization) が運用可能であることを報告しました.しかし,背景に非腫瘍細胞が多い日常検体では,HER2-FISHよりも,明視野で観察可能なHER2-DISHの方が適当と思われたため,HER2-DISHについても検討しました.HER2蛋白IHのセルブロックを用いた結果と組織検体の結果の完全一致率は低かったため,2+ (equivocal) 検体についてHER2-DISHを行うことで日常運用可能であることを報告しました.

2011年から,四国がんセンターでは日常業務としてセルブロックを用いた受容体検査を行っており,具体的な方法について分担執筆を行ったマニュアルが2016年に出版されました.

さらに,国立病院機構の9施設からなる多施設共同研究を2014年度から2017年度まで行い,四国がんセンターで行っている方法が他施設でも有用であることを確認しました.また,共同研究の一環として,本検査方法における適切な標本作製方法を検討し,推奨される判定方法を提唱しました.

【名古屋医療センターにおけるセルブロック法の使用状況】
名古屋医療センターも上述の多施設共同研究に参加しましたので,2014年から積極的に細胞診にセルブロックを併用しています.乳腺領域では,転移巣ではなく乳腺の病変に対して細胞診を行い,その精度を高めています.2014年12月から2020年1月の間に,2,232件の乳腺細胞診が行われましたが,その内238件でセルブロックが併用されています.その期間内のセルブロック検体数は714件ですので,その1/3が乳腺検体です.

国立病院機構共同臨床研究NHOネットワーク共同研究
H26, 29-NHO(がん一般)-02
『細胞診検体を用いた乳癌薬物療法適応決定のための基礎研究』
研究代表者: 西村 理恵子  四国がんセンター(現在 名古屋医療センター)

論 文
1. 西村理恵子, 青儀健二郎, 山本珠美, 高畠大典,高嶋成輝, 香川昭博,森田佐智子,寺本典弘. 乳癌穿刺吸引細胞診標本を用いた液状細胞診法によるホルモンレセプターの判定. 乳癌の臨床, 24(5): 625-630, 2009

2. 西村理恵子,青儀健二郎. 乳癌細胞診検体を用いたレセプター判定の必要性:アンケート結果から.乳癌の臨床 26(1): 121-130, 2011

3. Rieko Nishimura, Kenjiro Aogi, Tamami Yamamoto, Daisuke Takabatake, Seiki Takashima, Norihiro Teramoto, Akihiro Kagawa, Sachiko Morita. Usefulness of liquid-based cytology in hormone receptor analysis of breast cancer specimens. Virchows Archv 458(2): 153-158, 2011 (Electric publication ahead of print on December 4, 2010)

4. 西村理恵子, 山本珠美, 青儀健二郎,高畠大典,高嶋成輝,高橋三奈,清藤佐知子,大住省三. セルブロックを用いた乳癌HER2判定の可能性.乳癌の臨床 26(5): 597-601, 2011

5. 西村理恵子, 寺本典弘, 山本珠美, 香川昭博, 森田佐智子. 穿刺吸引検体におけるセルブロックの有用性.日本臨床細胞学会雑誌, 51(4): 235-240, 2012

6. 西村理恵子, 山本珠美, 香川昭博, 森田佐智子, 寺本典弘,高畑浩之. セルブロックを用いた乳癌ホルモン受容体判定.日本臨床細胞学会雑誌 51(5): 323-328, 2012

7. Rieko Nishimura, Akihiro Kagawa, Sachiko Tamogami, Kenta Kojima, Masakazu Satou, Natsumi Yamashita, Norihiro Teramoto, Kenjiro Aogi. Correlation of HER2 gene status assessment by fluorescence in situ hybridization between histological sections and cytological specimens of breast cancer. Breast Cancer 23(2): 211-215, 2016 (Electric publication ahead of print on July 21, 2014)

8. 西村理恵子. 乳癌セルブロックを用いたホルモン受容体およびHER2検査:当院における日常運用経験.臨床病理 33: 319-321, 2015

9. Rieko Nishimura, Nami Okamoto, Masakazu Satou, Kenta Kojima, Shinichi Tanaka, Natsumi Yamashita. Bright-field HER2 dual in situ hybridization (DISH) assay on breast cancer cell blocks: A comparative study with histological sections. Breast Cancer 23(6): 917-921, 2016 (Electric publication ahead of print on January 8, 2016)

10. Rieko Nishimura, Nami Okamoto, Masakazu Satou, Kenta Kojima, Shinichi Tanaka. HER2 immunohistochemistry for breast cancer cell blocks can be used in the same way as that used for histological specimens. Diagnostic Cytopathology 44(4):274-279, 2016 (Electric publication ahead of print on January 22, 2016)

11. 西村理恵子,増田慎三,山城勝重,村田有也,松井哲,森淸,高橋將人,青儀健二郎,伊東正博,前田茂人,倉岡和矢,尾崎慎治,市原周,佐藤康幸,田口健一,徳永えり子,鈴木博義,渡辺隆紀.乳癌転移巣細胞診検体受容体検査の日常運用に関する多施設共同研究:ホルマリン固定細胞検体のアルギン酸ナトリウム法セルブロックによる標本作製の提案.乳癌の臨床 32(3): 249-257, 2017

12. 岡本奈美,西村理恵子,佐藤正和,山本珠美,田中慎一,小嶋健太. ホルマリン固定乳癌細胞セルブロックを用いたホルモン受容体およびHER2検査における固定時間の検討. 日本臨床細胞学会雑誌 57(2):109-113, 2018

13. 岡本奈美,西村理恵子,佐藤正和,山本珠美,田中慎一. セルブロック法を用いた乳癌受容体検査に使用できる液状化検体細胞診専用固定液の検討. 日本臨床細胞学会雑誌 57(6):281-287, 2018

14. Rieko Nishimura, Yuya Murata, Kiyoshi Mori, Katsushige Yamashiro, Kazuya Kuraoka, Shu Ichihara, Kenichi Taguchi, Hiroyoshi Suzuki, Masahiro Ito, Natsumi Yamashita. Evaluation of the HER2 and hormone receptor status in metastatic breast cancer using cell blocks: a multi-institutional study. ActaCytologica 62(4):288-294, 2018 (Electric publication ahead of print on May 15, 2018)

15. Akira Matsui, Yuya Murata, Norikazu Masuda, Kiyoshi Mori, Masato Takahashi, Katsushige Yamashiro, Kenjirou Aogi, Shigeto Maeda, Masahiro Itou, Shinji Ozaki, Kazuya Kuraoka, Yasuyuki Satou, Shu Ichihara, Eriko Tokunaga, Kenichi Taguchi, Takanori Watanabe, Hiroyoshi Suzuki, Aiko Nagayama, Rieko Nishimura. Clinical significance of evaluating hormone receptor and HER2 protein using cell block against metastatic breast cancer: a multi-institutional study.  Oncotarget 10:5680-5689, 2019

著 書
西村理恵子: 細胞診検体を用いたレセプター検索(セルブロック法). 乳房超音波ガイド下針生検マニュアル (矢形寛,位藤俊一,小野稔,渡邊良二・編集). アトムス, p.93-96, 2016

3.暗視野法X線の病理学への応用

現在医療で利用されているX線は吸収コントラストに基づいています.吸収コントラストは,カルシウムの沈着した骨,空気を含む肺,造影剤を利用した一部の管腔臓器を描出できますが,その他の人体組織の微細解剖学的構造を描出することは苦手でした.20世紀末から位相コントラストを利用したX線イメージングの研究が始まっています.我々が注目している位相コントラストX線の原理は,筑波にある高エネルギー加速器研究機構教授を長く務められた安藤正海博士のグループによって開発されたものです.

X線暗視野法は,生物の軟部組織を,吸収原理のX線の1000倍の高コントラストで撮影できる革新的技術です.これまでのX線CTでは観察できない生体内の柔らかい組織(乳腺や臓器等)を,顕微鏡による組織切片の観察に匹敵する高いコントラストで非破壊的に,しかも染色や造影なしに可視化することができます.私たちの研究グループは,KEKフォトンファクトリーBL14B,BL14Cで,この方法の画質向上や高速化を進め,様々な生体試料の3次元微細解剖構造を効率よく解析できる技術的基盤を整備しました.一般的に,生体の微細解剖学に関する研究は,病理診断の伝統的技術であるミクロトームによる組織の薄切と染色によって作製される組織切片を光学顕微鏡で観察することで行われます.しかし,この方法は,膨大な数の切片を必要とする3次元観察には労力がかかりすぎるという問題がありました.X線暗視野CTは3次元解析を必要とする微細解剖学研究の技術的課題を克服した新しい方法として期待できます.

X線暗視野法は,2011年9月にギリシャのテサロニケで開催された第1回医学オリンピック協会国際会議で島雄先生が金メダルを受賞し,Harvard/MGHの研究者が加わり,安藤先生が北京から招聘されるなど,海外で先に注目されました.わが国での評価は遅かったのですが,今年4月に砂口先生が応募した知の拠点あいち重点研究プロジェクト「革新的シンクロトロン光CT技術による次世代モノづくり産業創成」で採択され,愛知のものづくりに生かされることになりました.https://www.pref.aichi.jp/soshiki/san-kagi/juten3kettei.html

参考文献

Sunaguchi N, Shimao D, Yuasa T, Ichihara S, Ando M et al. Three-dimensional microanatomy of human nipple visualized by X-ray dark-field computed tomography. Breast Cancer Res Treat. 2020 Feb 13.

Ando M, Sunaguchi N, Shimao D, Pan A, Yuasa T, Mori K, Suzuki Y, Jin G, Kim JK, Lim JH, Seo SJ, Ichihara S, Ohura N, Gupta R. Dark-Field Imaging: Recentdevelopments and potential clinical applications. Phys Med. 2016, Dec;32(12):1801-1812.

Ando M, Sunaguchi N, Wu Y, Do S, Sung Y, Louissaint A, Yuasa T, Ichihara S, Gupta R. Crystal analyser-based X-ray phase contrast imaging in the dark field: implementation and evaluation using excised tissue specimens. Eur Radiol. 2014 Feb;24(2):423-33.

Shimao D, Kunisada T, Sugiyama H, Ando M. Shift-and-add tomosynthesis of a finger joint by X-ray dark-field imaging: difference due to tomographic angle. Eur J Radiol. 2008 Dec;68(3 Suppl):S27-31. doi: 10.1016/j.ejrad.2008.04.037. Epub 2008 Jul 2.

Ando M, Bando H, Endo T, Ichihara S, et al. Refraction-based 2D, 2.5D and 3D medical imaging: stepping forward to a clinical trial. Eur J Radiol. 2008 Dec;68(3 Suppl):S32-6.

Ichihara S, Ando M, Maksimenko A, Yuasa T, Sugiyama H, Hashimoto E, Yamasaki K, Mori K, Arai Y, Endo T. 3-D reconstruction and virtual ductoscopy of high-grade ductal carcinoma in situ of the breast with casting type calcifications using refraction-based X-ray CT. Virchows Arch. 2008 Jan;452(1):41-7.

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